ぜんぶ

ぜんせいぶつの文章

『落下音』をみてGAGAの新レーベル「NOROSHI」ってすごくね?とか思ったりしてたよね

映画配給会社のGAGAが新しく『NOROSHI』という映画レーベルを作った。アートハウス系の映画を配給していくよーん言うてます。

へー。アートハウス系ってなに?なんか難しいやつのこと?いわゆるミニシアター系とほとんど同義ってことらしい。ミニシアター系ってなに?ミニじゃないシアター(シネコン)とかでかからない芸術性の高い映画ってことだよね。

ん。『センチメンタルバリュー』も『落下音』も同じ配給だ。でもどっちも新宿ピカデリーでみたよ。シネコンじゃん。はあ。てきとうか、言葉。あ、だからアートハウス系とか言うのね、なるほどです!

とか思いつつも、とはいえなんだか、NOROSHIがやる気むんむんという気配がある。GEEKS RULEというサブカルプリントTシャツ作りまくっているところが、『落下音』のTシャツ作ってた。

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おしゃれ〜〜〜なのかなも〜な〜〜。
でも待ってほしい。トップページはこういう感じ。

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むむ?なんか浮いてね、落下音シャツ。

映画のTシャツもたくさん作ってるんだけど、いうて『スター・ウォーズ』とかよ。

https://geeksrule.official.ec/  ←GeeksRuleのサイト

おそらくNOROSHIは、アートハウス系映画の配給を、こういう角度で宣伝していくことに商機を見いだしている。今の映画市場を鑑みると、超マスなタイトルか超ニッチなタイトルが、ビジネス的に配給する価値があると判断される現状があるようで。

こういう記事もあったりするけど、極端なことになってきている。興収10億円規模作品が生まれにくくなっているので、逆にニッチなアートハウス系映画を配給する権利安く買い上げて、うまいこと宣伝してピカデリーとかで上映しちゃうほうが儲かるってことなのだろう。いろいろ考えてるなあ人々。

そういえば、『センチメンタルバリュー』の監督の前作『わたしは最悪』を観たのはシネマカリテだった。2026年あたまに閉館したところ。そもそも劇場自体も減っていってるもんね〜。ま、どうでもいいか!上映すんなら行くけど〜みたいな気持ちです、私は。

で、みにいったのです『落下音』。公開初日に。いかにもミニシアター系で、格好つけた映画でしたよ。いい映画ではあったけど、本編見た後だとプロモーションうますぎワロタになります↓。

予告おもろそ〜

映画自体はかなり真面目でシリアスな内容で、とある農場の100年にわたる人々の営みを、戦争などの歴史を背後で感じさせつつ描いたものになっていたよ。その100年を順番に描くのではなく、1920年頃の話かと思ったら1980年頃の話になったり2020年頃の話になったり、それらが行ったり来たりと、クリストファー・ノーランかよって感じではあるのだが、そうやってつまみぐいするかのように描かれるのは各時代の女性たちで、まあそれも真面目感がある。明らかにもっと掘り下げられるべき男性キャラクターがいるのだけれど、まあ女性の映画なんでって感じで割と放っておかれてた。真面目だから仕方ないね。その男は、親が息子を戦争に行かせたくないから高いところから突き落として一生松葉杖、みたいな奴なんだけどね。かわいそ。

この映画は、登場するの女性たちが自死への妄執に囚われているという「謎」で一応引っ張っていく構成になっていて、それが終盤になってドイツが抱えた戦争の記憶が現代にも大きく横たわっていることに起因したものだと明かされるのだけれど、まじかよ。日本もネトウヨがウォーギルドインフォメーションプログラムによる自虐史観で自殺率どうこうとか考えていそうだけれど、ドイツはドイツで真面目にやっていました。それ以前に日本だと神風的な話もあるのでややこしいし、私はドイツの歴史にも詳しくないのでなんとも言えないところではあるが、まあこの映画のなかではとりあえずそんな感じなのだ。ドイツ東部では敗戦の気配が立ち込めてくる頃に、進攻してくる人々から酷い目にあうとかどうとかで、自殺した人が多くいるんだって。戦争こえー。

個人的に一番見応えがあった時代が、1980年代で、そこに登場するアンゲリカという少女が見ていて楽しかった。こいつがもう見るからに自分の身体や性を持て余してて俳優すごいなって感じ。映画を通してたびたび現れる写真による「死」のイメージがあり、古いカメラではその性能上動くものがどうしてもぶれて撮影されるが、死んでしまった者は動かないので像がはっきり写る、という意味がわかると怖いクイズあるあるネタが、1980年代になると違う意味を持ち始める。アンゲリカはもうずっとソワソワしている女の子なのだけれど、最新のポラロイドカメラで親戚と集合写真を撮るシーンでついにどこかへ家出して消息不明になってしまう。その時の写真はアンゲリカだけが幽霊のようにぼけて写るのだけれど、動かないことの「死」というイメージ後退し動くことの「生」が強調される。まあベタといえばベタだけれど、こういう映像的な語り方は真面目に映画してていいねと思う。不気味なイメージで描かれる開放的なメッセージは、豊かさがあるわよね。

この映画、劇伴らしい劇伴がなくて、要所で「ゴォォォォォォ...」って複雑なノイズが鳴り続けるのだけるど、これが個人的にとてもよかった。こういうドローンミュージックが好きなので、いい音楽だなあと思い、作曲者を検索してみた。

この人だった↓

Michael Fiedlerってひと。

この動画みたいな音が映画でゴォォォいわせてましたよ。いいね。とか思ってたんですが、この人「Ghost Dubs」って名義でダブテクノやってるじゃんか。知ってるわGhost Dubs、超好き。ダブテクノというジャンルは、まんまダブとテクノを掛け合わせた陰鬱とした音楽なのだけれど 、そのジャンルの始まりは1990年代の「Basic Channel」というドイツのテクノユニットにあったりする、もうそこそこ歴史のあるジャンル。Ghost Dubsは『Dub Craft』とかいうマジふざけたタイトルをつけた曲を発表してるイカしたやつだぜ!

ラブ・クラフト的な湿っぽさとダブテクノの暗い感じは近いって、言われたら確かにそうかもと、ダブテクノ好きは勝手に膝を打ったりしているという、そういう話でした。え、そういう話でしたか??!!びっくり〜!!