そもそも、有名ボカロPが手掛けた曲がわんさか流れるアニメだよんって今言われて、何も胸が躍らなくてすごいと全俺で話題だったこのアニメ、なんか今凄い話題になってて、よかったよかった。
というか、このアニメ映画2時間22分あるんだけど、まずこれはなんなんだよ。家で見るのもしんどいから映画館でみようとしたら席埋まりすぎだろ、埋まりすぎだし長すぎだろ、とか個人的に思いますが、というか実際にみてみた感じ、これ本当は6話くらいのリミテッドシリーズのアニメだったんじゃねーの?と思ってしまうくらいには、1本の映画としてはかなり散らかっていて、まあそれもそれで味といえば味なのかもしれないけど、散らかってて楽しい映画でもないので、結末含めてなんだかなとは思いますよ。結局家でみました。
でもとりあえず、アニメーションは良いところがたくさんあった。コミカルなシーンでコミカルにぐにょぐにょ動いていたりと、アニメらしいアニメをやってくれているばかりか、涙の玉をぶら下げる描写や『きんぎょ注意報!』みたいな少女漫画風のニコニコおめめ⌒ ⌒をやっていたりと、オタクくんはこういうの喜ぶんでしょ?ってこと以外のあれこれも沢山盛り込んでオタクくん達を喜ばそうとしているところが、とても良かった。喜んだ。ほんとに。そういう描写はいちいち楽しかったし、それらがあってこその主人公である少女2人のてぇてぇやつがてぇてぇことになってたと思う。単にシリアスな百合的なやつってなんかアレだし。『リズと青い鳥』は結構いいけど、さ。
けれども、アニメーションで悪いところもたくさんあって、とくに中盤のストーリー上マジでいらないバトルシーンなんかの動きが、一回3DCGで構築したアクションシーンを手描きアニメで起こしたような、抜けの悪い妙な重さのある動きになっていて、全然気持ちよくない。そういうのが陥りがちな中割りによるスッキリとした動きが皆無のもっさりアニメになっていた。ロトスコ的な作画も多く、動き自体は滑らかで頑張っている感はあるが、それだけ、みたいな。頑張ってはいるんだろうが。
つーか、日本のアニメーションの話をするならさ、このアニメは高畑勲のかぐや姫がまず大前提にありすぎるやべーアニメでもあって、大丈夫なのか、あれにどうぶつかっていくんだと思ったら、その辺がかなり中途半端で、じゃあ最初からそんな勿体つけがなくても良かったのにとすら思う。『竹取物語』に対してこんなのバッドエンドじゃんかとか、そんなこと言わなくてよかったよ。そこにAIだったりヴァーチャルだったりな意味が不用意に混じってしまっていて、むしろ良くないじゃんそれは。そもそもかぐや姫が月に帰るってのが、かぐや姫的に死と同義やねんなってのが高畑版かぐや姫なわけで、死後の世界がヴァーチャル(現実と対比される別の世界)なものってそれはちょっと悪い意味で細田守的なものがちゃんと受け継がれてて、おー、受け継がれてんじゃんね。え。
何が中途半端って、月に帰ってしまったかぐやを連れ戻すって展開がかなり端折られてるところ。ここ大事だろ。なんかロボット工学のテクノロジーを専攻してオッケーって、そんな神山健治みたいなことすんなよ。ねむり姫みただろ。てか女子高生が主人公の自動車自動運転技術のアニメってなんだよ。どういう企画だよ。あんなアニメ思い出させるな。っっっっってか、月にいけよ!!!!!
高畑版へのアンサーだとするなら、テクノロジーによって死を乗り越えたことになっていてガチやばいだろ、という部分に無自覚なのだとしたら、それはむしろそれでいい気もする。強いから。強いから母親との確執もなあなあで解決したりできたのかもしれない。ここは良くはないと思う。
初音ミクが世に出てきた時に高校生で、メルトが投稿された時点で早速後方腕組みオタクをしていたような私として、一応言っておくが、なんでボカロが歌わないんだよ。って、そんなの『君の知らない物語』から思っていることだけれど、むしろ私の世代こそ歌い手がカバーした方をみんな聴いていて、その下の世代になってようやくボカロなどの音がもつ質感を好むようになっていったりもしたので、まあ、ryoとかだし、正しいっちゃ正しいのか、なあ。ワールドイズマインの絵みたいにかぐやが歌っててかわいかったね。うん。
とまあ色々言ったけど、ネトフリオリジナルの日本のアニメの"中"では、かなり良い方なので、かなり良いじゃんね。よかったよかった。